最期の贈り物

最期の願いで贈りたいものがあるんですと言われました。
それは樹脂粘土制作を一緒にされた方からのオーダーでした。
最期の願いで作品を2つ、贈りたい相談されました。彼女は末期癌でした。私はできる限りのことを叶えたくてオーダーを引き受け、一緒に贈り物を作らせていただきました。
作る過程で泣きながら、もう泣かないと思っていたのに…と声をつまらせながら、体調の悪い中懸命に粘土の花を一緒に作りました。
人に恵まれていました。
長くはない一生だけど忘れられない思い出ができました。もっと早く逢いたかった
最期のワガママ聞いてください。貴方の作品をいただきたいと言われました。

胸がせつなくなりました。
最期の想いを形に残す為に、私はガラスを彫りました。
これまで多くのガラスを刻んできました。
託される想いを表現し続けて来ました。いつしかそのガラスは特別な想い出となり、家族の方に受け継がれて行くのかと思います。
今という限られた時間を懸命に生きることを、教えていただきました。
これからも私は誰かの想いを形にするお仕事を続けてゆきます。
正直せつないです。

限りある時間を普段は意識せず過ごしてきました。

でもそうじゃないんですよね
いつしか私にも終わりが来ます。

その時、私も人に恵まれていたと言える様に

素敵に歳を重ねたいと思いました。
そのためにも、今は目の前の仕事を懸命にやり遂げたいと思います。
明日ホスピスへ移動されます。

体調が安定しましたら、粘土のボランティアに行けたらいいなぁ〜


天使の羽音

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